キーワード・用語解説

ジェンダー統計

ジェンダー統計とは、社会的・文化的に形成された男女の生活や意識における偏り、格差、差別を明らかにする統計である。男女平等を実現するには、まずその不平等さを明確にすることが必要であり、1975年の国際婦人年に開催されたメキシコ会議において、女性が置かれている差別的状況を把握するための統計の重要性が指摘された。以来、“国連統計局”や“国際婦人調査訓練研修所”(INSTRAW、2010年より「UN Women」に統合)が中心となり、あらゆる分野におけるジェンダー統計についての研究調査が行われている。第4回世界女性会議「行動綱領」(1995年)でもその必要性が取り上げられ、女性に関する統計集の作成は、世界各国で取り組まれつつある。日本でも、女性の置かれている状況を客観的に把握することのできる統計情報等の収集・整備・提供を行っていくことが大きな課題となっている。「男女共同参画2000年プラン」(1996年12月決定)で、「男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革」が新たな重点目標の1つとして加えられ、その具体的施策として、“統計調査等の充実”及び“無償労働の数量的把握の推進”が掲げられた。1997年に経済企画庁によって「無償労働の試算」が初めてまとめられた。日本の女性の状況を示す統計資料としては『女性の現状と施策』付属統計資料(総理府)、『働く女性の実情』(労働省婦人局)、『統計にみる女性の現状』(国立婦人教育会館内婦人教育研究会)等の政府刊行物があったが数は少なく、またジェンダー統計への関心も低かった。近年ようやくジェンダー分析を加えたデータブックが刊行されるようになってきた。なお、国立女性教育会館は1992年度から開発に取り組んできており、統計データベースをWinetのオンラインを通じて公開すると共に、『男女共同参画統計データブック』や「男女共同参画統計リーフレット」を刊行している。(1996.1)(1997.7、2015.9、2023.11追記)

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