意識変容の学習
P.クラントン(米)は、成人教育を「おとなが取り組む思考・価値観または態度の変化につながる活動もしくは経験」と定義している。おとなは、長い人生経験の過程で、各人が固定的な前提や価値観を身につけてきている。これらの前提・価値観の中には、急激な社会的背景の変化に適応する際や、新しい生き方を模索する際に障害になるものがあり、そのために学習活動の中で、これまでの前提・価値観を吟味する必要が出ている。クラントンは、成人学習者が学習プロセスの中でこれまで身につけてきた前提やその源を問いなおし、新たな価値観を身につけていくような「意識変容の学習」が、成人学習の独自の役割であるとしている。意識変容の学習は、成人学習者のアイデンティティの安定にゆさぶりをかける学習活動になるため、そこでの学習支援者の役割が重要になってくる。また、意識変容を行う学習活動を支え、変容した意識を行動に結びつけるところまで互いに支援し合う学習仲間の存在もきわめて重要である。このように成人学習の役割は、個々人の意識変容に対する援助であり、その作業をすすめていくならば、徐々に社会の変化が進行していくというのが、クラントンの考え方の基本となっている。(1997.5)
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