キーワード・用語解説

ADD(注意欠陥障害)

ADD(Attention Deficit Disorder)とは、注意欠陥障害のことを言う。原因は、神経科学的な障害(ある種の神経伝達物質の不足)で、脳そのものに傷があるというのではなく脳の働きに問題があり、注意力・活動量・衝動性のコントロールが不安定になる。これまでADDというと、早口でまくしたて、いつも落ち着きがなく、そそっかしいという言動が見られ、発生率は女の子より男の子の方が6~10倍高いと言われるADHD(注意欠陥多動性障害)が代表的症状として挙げられてきた。しかし最近では、多くの専門家の間で多動のないもの静かな子ども、特に女の子が見逃されてきたため、男女比はもっと均等に近いのではないかと言われ始めている。ADDに苦しむ女性は、情報処理のスピードが入ってくる量に追いつかず、金銭の管理や物の整理、作業の優先順位がつけられなくなり、計画的に考えをまとめることができにくくなる。ただ高いレベルの刺激があると集中力は働くし、時間はかかるが作業自体はできるので、普段は優秀に仕事をこなしてADDであることを隠し通して何とか切り抜けていく女性も多い。ただ整理整頓能力の欠如という症状が、社会が求める「女らしさ」の枠にはまらず、期待される女性像に追いつけないため悩み、本来の実力を発揮できなくなったり、人間関係に苦労するという二次的な障害につながってしまう。治療の方法として薬物療法が基本だが、自助グループ活動や精神的・物質的・実際的な援助態勢が求められる。(2001.2)

  • アルファベット検索
  • フリーワード検索
ENGLISH サイトマップ キーワード・用語解説