GAD(「ジェンダーと開発」)
GAD(gender and development:ジェンダーと開発)は、開発過程において、ジェンダー格差やその背景となる社会・経済構造を変革することによって、不利な立場にいる女性(あるいは男性も)の問題解決を図ろうとする施策である。1950年代から推進されてきた途上国への開発援助は、開発過程から女性が排除され周辺化されるという状況が見られ、必ずしも女性の生活を改善することにはつながらなかった。国際婦人年(1975年)を契機に、国際的に開発における女性の役割が重視されるようになり、WID(women in development:開発と女性)の理念が生まれた。これは、途上国の開発援助にあたって、その地域における女性の社会的・経済的役割や状況を十分に把握・分析した上で、教育や健康、経済・社会活動への参加を高める取組などを通して女性をエンパワーメントし、既存の開発過程に統合しようとする働きかけであった。しかしそれで社会参加できたとしても、ジェンダー間の不平等な関係が変わらなければ、女性の置かれている状況は改善されない。つまり、女性のみを対象とした取組だけでは真の問題解決にはならないとの観点から、ジェンダー視点を踏まえたGADが1980年代に入って提唱されるようになった。今日、開発援助のアプローチは、WIDからGADへ転換されつつある。(2002.2)
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