キーワード・用語解説

集団強姦罪

大学生の集団レイプ事件など性犯罪事件の凶悪化により、刑法等の一部を改正する法律の中で、集団強姦等に関する罪が新設された(第178条の2、2005年1月1日施行)。集団強姦罪とは、2人以上の者が現場において共同して強姦(第177条)または準強姦(被害者が心神喪失・抗拒不能の場合、第178条第2項)の罪を犯したときは、4年以上の有期懲役に処するというもの。親告罪ではない(第180条)。今回、強姦及び準強姦罪の法定刑が3年から10年の懲役となった(改正前は2年から7年)が、それよりも重い。また有期懲役及び禁錮の上限が15年から20年に、2つ以上の罪を犯したり再犯の場合は30年まで加重されることとなったため、4年から30年の幅で量刑が勘案される。これまで性犯罪は強盗などの財産犯に比べて刑罰が軽いという批判があったが、女性の人権尊重という社会的動向を踏まえ、条文新設と重罰化で法益の均衡を図った。関連の刑事訴訟法では、集団強姦罪の罪(未遂罪、集団強姦等致死傷罪を含む)の被害者を証人として裁判所が尋問する場合、相当と認められれば、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所以外の場所(同一の構内に限る)で、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話する方法、いわゆるビデオリンク方式による証人訊問の規定も新設された。被害者の人権保護の視点から広く性犯罪への適用が望まれる。また本条文の新設で性犯罪に対する刑事司法の変化の兆しが見られる。(2005.4)

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