CSR(企業の社会的責任)
CSR(企業の社会的責任)は、Corporate Social Responsibility(以下CSR)の略。CSRのとらえ方は国や地域の価値観、社会事情などによって異なり、その定義もさまざまである。2004年版通商白書(経済産業省)では、「企業が法律遵守にとどまらず、市民、地域及び社会等の企業を取り巻くステークホルダー(利害関係者)に利するような形で、自ら、経済、環境、社会問題においてバランスのとれたアプローチを行うことにより事業を成功させること」と定義されている。CSRの内容は、情報開示・説明責任、環境保護、労働環境改善、労働基準の遵守、人材育成、人権尊重、腐敗防止、公正な競争、地域貢献、地域投資など広範にわたる。企業はCSRによって、リスクの低減、従業員の意欲向上、新商品・サービス市場の開拓、企業イメージの向上、優秀な人材の確保などの効果が得られる。今日、CSRは企業の持続的発展に必要不可欠であるとのとらえ方が主流になりつつある。米国は、市民団体などが主体となって企業のCSR活動を監視し社会的責任を問う動きが盛んであり、欧州での取組はまだ途上であるが、子育てしやすい労働環境の整備が社会的課題となっている中、子育て支援をCSRの一環として取り組む企業も出てきている。我が国では次世代育成支援対策推進法(2005.4施行)で企業の行動計画策定が義務づけられたこともあり(従業員301人以上の企業対象)、より積極的な取組が望まれる。(2006.5)
関連用語
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