キーワード・用語解説

ファシリテーション グラフィック

会議や話し合いの進行を記録する手法の1つ。一言でいうならば、工夫が凝らされた板書である。通常の板書と大きく異なるのは、文字だけに頼らないということ。進行役であり記録役でもあるファシリテーターが、参加者の発言を文字と簡単な絵(アイコン)を用いて記録したり、話し合いの流れや構造に対応したダイアグラム(関係図)や表を使ってまとめることが特徴で、以下のメリットが考えられる。1)論点が明確になること:議論がどのような流れで進んでいるかがひと目でわかるので無駄な重複や話題があちこちに飛ぶことを避け、有効な積み重ねが促される。 2)自分の発言が位置づけられること:目の前で記録されることで、自分の発言が正確に参加者全員に伝わったことを確認することができるとともに流れの中でどのような働きをしているかがわかる。 3)発想を刺激すること:絵やダイアグラム(関係図)を用いることでイメージが広がり、創造的な発想をもたらす。 4)成果に対して共通認識を持てること:全員で確認しながら作成した記録なので共通のメモとも言える。視覚的な印象によりイメージも共有できる。なお、このような会議では、参加者の席の配置などにも気を配ると良い。扇形に座ることで、参加者同士が水平な関係で発言できたり、ファシリテーショングラフィックを全員で作っているという意識がもたらされる。会議の様子をありあり思い返す手がかりともなるファシリテーショングラフィックは、創造的な話し合いを進めるためにとても便利で有効な手法である。(奥村玄) ※『学習支援ハンドブック』(本財団発行,2006年)掲載のファシリテーショングラフィックの事例参照。(2006.7)

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