キーワード・用語解説

ソーシャル・イノベーション(social innovation)

社会変革と訳されるソーシャル・イノベーションは、未来を拓く社会的価値の創造を表す言葉であり、新たな考え方や仕組みを用いて経済や社会を変えていくことである。ビジネスを通じて社会課題を解決し、社会に変革をもたらすことの意で用いられ、変革の担い手である「社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー、social entrepreneur)」と共に語られる場合が多い。
 例えば、マイクロファイナンスやフェアトレードを立ち上げた社会起業家は、女性や社会的弱者の自立支援とビジネスを合体させた新たな経営手法を提案し、社会変革の流れを生み出している。
 こうした背景には、1980年代以降、市場原理主義へ移行した先進諸国での福祉予算の削減がある。また、社会課題がグローバル化・複雑化する中、政府や自治体だけでは対応に限界があり、新たなアプローチの担い手を模索してきた事情もある。さらには、CSR(企業の社会的責任)導入が市場の優位性に影響するなど、市民の倫理観や社会貢献意識醸成の反映という見方もある。
 国内では内閣府が「新しい公共」円卓会議を立ち上げ(2010.1)、官民協働を推進する。大学のソーシャル・イノベーションコース設置など関心の広がりや、病児保育・市民ファンド等、ビジネスモデルの多様化も見られる。(2010.10)

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