子育て支援者のためのパワーアップセミナー 実施報告
【開催日時】2008年11月22日(土)
[公開講座] | 10:00〜12:00「やわらかな関係づくりを〜絵本の読みあいを中心に〜」 |
[ワークショップ] | 13:30〜16:00「関係づくりを育む子育て支援に向けて」 |
【会場】盛岡市中央公民館
【講師】村中 李衣(児童文学作家、梅光学院大学子ども学部教授)
- 本財団では、もりおか女性センターとの共催で「子育て支援者のためのパワーアップセミナー」を実施しました。子育て支援者を対象に企画されたこのセミナーは、子育て支援者に必要とされる「関係づくりの視点」をテーマに実施しました。
- 共催で実施した公開講座とワークショップは、もりおか女性センター主催の連続講座(全6回)の2・3回に組み込む形で行いました。公開講座では、講師の村中李衣さんが長年取り組んでこられた絵本の読みあい実践の様々なエピソードを事例に、関係づくりのあり方を学びました。同じく村中さんをファシリテーターとして行われた午後のワークショップでは、自分の身体を描くことで自分自身が抱えている心身の痛みを引き出すグループワークを行いました。支援者という立場ではなく、一人の人間としてまず自分自身を問い直すところから始めるというこのワークは、支援していく上で最も基本とされる「関係づくりの視点」への気づきを導くきっかけになりました。
- 公開講座のアンケートには「心にしみました。初心に返りたい」「先生のすべてを受け入れる懐の深さを感じた」「読み聞かせと読みあいの違いがよくわかった」「話に引き込まれ、終始泣いたり笑ったり、あっという間でした」「声からやさしさ、人柄が伝わってきました」「幸福な時間を過ごすことができました」など、ワークショップのふり返りシートには「新しい風が吹いたようで、明日からまた元気に過ごせそうです」「自分自身を見直すことができた」など、学びを通して得られた新鮮な感動の数々が記されていました。
公開講座 1
講座の中で何冊かの絵本を読んでくださった村中さんの表情豊かで温かい声は、参加者一人ひとりの心に響きました。
公開講座 2
読みあいの場に持参するというグッズの一つ、亀の形をしたお手玉(親ガメの中に5匹の子ガメが収まっているもの)を披露されるなど、ユーモアに満ちた語りかけに会場全体が笑いに包まれました。
ワークショップ 1
自分の身体のシルエットを描き、痛みや気になるところに思いつくままに色付けするワークをしました。グループ内で描いたシートを見せ合いながら、一人ずつ順番に自分の身体について語りあう中で、互いの痛みを共有することができました。
ワークショップ 2
描いた自分の身体を切り抜いて、参加者全員のそれをつなぎ合わせて壁に貼ってみました、一人ひとり痛みを抱えつつも、つながりあっている様は、まさに支援するもの・されるものという枠を越えて、互いに支えあいながら関係を紡いでいるように見えました。
時間 | 内容 | 講師 |
---|---|---|
午前 10:00〜 12:00 |
公開講座:やわらかな関係づくりを〜絵本の読みあいを中心に〜 | 村中李衣 |
子育て支援において今最も求められているのは何か、絵本の読みあい実践を事例に考える。読み聞かせではなく、読みあうという関係の中から、互いに感じあう心の交流に気づき、支援者として「共に生きる」という関係づくりの視点を学ぶ。 | ||
午後 13:20〜 16:00 |
ワークショップ:関係づくりを育む子育て支援に向けて | 村中李衣 |
子育て支援活動を中心に、がんばってきた道のりの中で、苦しかったり、今もひきずっている痛みだったりを、無理にひっぱりだすようなかたちでなく、自然に分かち合えるようなワーク「心の色」。このワークの体験をきっかけにして、グループで話し合いを進めていく。この際、ワークと各グループの話し合いを結び付けるべく、(理論的保証として)冊子『むすんでひらいて 編みなおして』の中に書いてある箇所をおりおり紹介して、そのつながりを実感してもらう。 |